令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問12
【問題12】
システムの信頼性設計に関する記述のうち,適切なものはどれか。
フェールセーフとは,利用者の誤操作によってシステムが異常終了してしまうことのないように,単純なミスを発生させないようにする設計方法である。
フェールソフトとは,故障が発生した場合でも機能を縮退させることなく稼動を継続する概念である。
フォールトアボイダンスとは,システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
フォールトトレランスとは,故障が生じてもシステムに重大な影響が出ないように,あらかじめ定められた安全状態にシステムを固定し,全体として安全が維持されるような設計手法である。
【解説】
ア: フェールセーフとは,利用者の誤操作によってシステムが異常終了してしまうことのないように,単純なミスを発生させないようにする設計方法である。
誤り。フェールセーフは、障害や誤動作が発生してもシステムが安全な状態に移行することを目的とした設計です。ユーザのミスを防ぐこと自体は目的ではありません。
イ: フェールソフトとは,故障が発生した場合でも機能を縮退させることなく稼動を継続する概念である。
誤り。フェールソフトは、機能を一部縮小(縮退)させつつもシステムを継続稼働させる設計です。「縮退させることなく」は誤りです。
ウ: フォールトアボイダンスとは,システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
正しい。フォールトアボイダンスは、故障そのものの発生を未然に防ぐ設計思想で、信頼性の高い部品選定や品質管理などが重視されます。
エ: フォールトトレランスとは,故障が生じてもシステムに重大な影響が出ないように,あらかじめ定められた安全状態にシステムを固定し,全体として安全が維持されるような設計手法である。
誤り。これはフェールセーフに近い説明です。フォールトトレランスは、冗長性を持たせることで故障があっても機能を維持し続ける仕組みです。
【答え】
ウ: フォールトアボイダンスとは,システム構成要素の個々の品質を高めて故障が発生しないようにする概念である。
出典:令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問12