令和6年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問26

【解説】

このSQL文は、部品ごとに現在の在庫数を合計し、それが発注点を下回っているかどうかで「必要」「不要」を判定する処理をしています。
重要なのは、a には「部品ごとの在庫数の合計」を適切に取得する式が入っている必要があるという点です。

■ SQLの動作確認

SQLの CASE WHEN 部品.発注点 > a THEN '必要' ELSE '不要' END という条件式を満たすためには、a に在庫数の合計を入れる必要があります。

• P01: 発注点 = 100、在庫数 = 90 + 90 = 180 → 合計で発注点を超えており「不要」と判定すべき。
• P02: 発注点 = 150、在庫数 = 150 → 発注点と等しいので「不要」。
• P03: 発注点 = 100、在庫が存在しない（NULL） → 「発注点 > NULL」は常に偽なので、「必要」と判定されるように在庫が0と扱われる必要がある。

■ 選択肢の検討

ア: COALESCE(MIN(在庫.在庫数), 0)
誤り。MIN関数では、在庫数の最小値しか得られず、P01のように複数の在庫がある場合に180ではなく90が得られてしまいます。在庫数の「合計」が必要です。

イ: COALESCE(MIN(在庫.在庫数), NULL)
誤り。NULL補完がない場合、在庫が存在しない部品に対してNULLのままとなり、比較が不安定になります。

ウ: COALESCE(SUM(在庫.在庫数), 0)
正しい。部品IDごとの在庫数を合計でき、さらにCOALESCEにより在庫が存在しない場合でも0として扱えるため、すべての条件に対応できます。

エ: COALESCE(SUM(在庫.在庫数), NULL)
誤り。NULLのままではP03のような在庫ゼロの判定に支障があり、発注点との比較が正しく行えません。