令和7年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問78
【問題78】
著作権法及び関連法令によれば、生成AIを利用して画像を生成する行為又はその生成物の利用が著作権侵害にあたるか否かに関して、適切な記述はどれか。
AIが既存の著作権で保護されている画像をデータセットとして学習している場合は、そのAIを利用して画像を生成すると、いかなる場合も著作権侵害になる。
AIを利用して生成した画像が著作権で保護された既存の画像と類似しており、それを公開した場合、著作権侵害となる可能性がある。
AIを利用して生成した画像は、AIが自動的に創作したものであるため、いかなる状況でも著作権の対象外となり、著作権侵害の懸念は生じない。
AIを利用して生成した画像は、生成した本人の私的使用に限って、利用が認められており、商業利用を行った場合は、いかなる場合も著作権侵害となる。
【解説】
ア: AIが既存の著作権で保護されている画像をデータセットとして学習している場合は、そのAIを利用して画像を生成すると、いかなる場合も著作権侵害になる。
誤り。AIの学習に既存の著作物を使用しても、生成された結果が既存著作物に依拠していない限り、必ずしも著作権侵害になるわけではありません。
イ: AIを利用して生成した画像が著作権で保護された既存の画像と類似しており、それを公開した場合、著作権侵害となる可能性がある。
正しい。生成物が既存の著作物と実質的に類似し、依拠性が認められる場合は、著作権侵害となる可能性があります。
ウ: AIを利用して生成した画像は、AIが自動的に創作したものであるため、いかなる状況でも著作権の対象外となり、著作権侵害の懸念は生じない。
誤り。AIが自動生成した場合でも、生成物が既存著作物に依拠し、類似している場合は著作権侵害の問題が生じます。
エ: AIを利用して生成した画像は、生成した本人の私的使用に限って、利用が認められており、商業利用を行った場合は、いかなる場合も著作権侵害となる。
誤り。私的使用に限る規定はありますが、商業利用が即座に著作権侵害になるわけではなく、著作権侵害の成否は依拠性や類似性によって判断されます。
【答え】
イ: AIを利用して生成した画像が著作権で保護された既存の画像と類似しており、それを公開した場合、著作権侵害となる可能性がある。
出典:令和7年度 春期 応用情報技術者試験 午前 問78