令和6年度 秋期 応用情報技術者試験 午前 問64

【解説】

本問は、BPRによって得られるコスト削減効果および空き時間の活用による利益効果を数値的に比較し、最も金銭的に有利なシナリオを選ぶ問題です。

各シナリオの金額面の効果

シナリオa（ア）: 従業員4人＋外部委託
– 人件費削減：600万円（1人減）
– 外部委託費用：▲700万円
– 空き時間：2,200時間 → 利益 20万円×22 = 440万円
⇒ 効果金額 = 600 – 700 + 440 = 340万円
→ 外部委託費が大きいため、効果は限定的。

シナリオb（イ）: 従業員4人のみで対応（外部委託なし）
– 人件費削減：600万円（1人減）
– 外部委託費用：0円
– 空き時間：200時間 → 利益 20万円×2 = 40万円
⇒ 効果金額 = 600 + 40 = 640万円
→ 外部委託コストがなく、1人分の人件費削減がそのまま効果に直結するため最も高い。

シナリオc（ウ）: 従業員5人＋外部委託
– 人件費削減：なし
– 外部委託費用：▲700万円
– 空き時間：4,000時間 → 利益 20万円×40 = 800万円
⇒ 効果金額 = -700 + 800 = 100万円
→ 外部委託費用が大きく、利益を食ってしまう。

シナリオd（エ）: 従業員5人のみで対応（外部委託なし）
– 人件費削減：なし
– 外部委託費用：なし
– 空き時間：2,000時間 → 利益 20万円×20 = 400万円
⇒ 効果金額 = 400万円
→ 空き時間は有効だが、人件費削減が無いためシナリオbに劣る。

結論

シナリオbは外部委託を使わずに人員削減を行うことで、コストを大きく減らしつつ、少量ながら付加価値業務による利益も得ています。
他のシナリオと比べても金額面の効果が最も高くなっています。